「信じてるよ」の後に、人はなぜ黙るのか
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「信じてるよ」
この言葉は、どこか特別な力を持っています。
励ましのようであり、プレッシャーのようでもあり、やさしさと静かな緊張が同居している。
でも、不思議なことに、「信じてるよ」のあとに続く言葉は、ほとんどないことが多いのです。
それはなぜなのでしょうか。
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沈黙が語る「これ以上は言わない」
人が「信じてるよ」と言ったあとに黙るのは、ある意味で「ここから先はあなたに任せる」というサインなのかもしれません。
アドバイスも、命令も、期待も言わない。
その代わりに、「あなたを信じることだけは決めたよ」と静かに伝えてくる。
言葉で多くを語らないのは、信じているからこそ、あれこれ指図したくないという気持ちのあらわれ。
沈黙は、とても深い信頼のかたちでもあるのです。
「信じてる」が、怖くなるとき
けれど、言われた側は少し戸惑います。
「信じてる」と言われると、裏切っちゃいけないと思ってしまう。
その沈黙の中に、「責任」や「期待」を勝手に感じ取ってしまうから。
本当はうれしいはずなのに、怖くなる。
「失敗したらどうしよう」「がっかりさせたらどうしよう」と、自分の中で不安がふくらんでいく。
だからこそ、「信じてる」の後の沈黙は、時に重くのしかかるのです。
黙る側にも、きっと覚悟がある
でも考えてみると、「信じてる」と言って黙る側にも、勇気が必要です。
相手に何も言わずに見守ることは、実はとても難しい。
失敗するかもしれないと分かっていても、それでも任せる。
心配していても、ぐっとこらえる。
それは、ただ優しいだけのことじゃなくて、信頼の中にある覚悟です。
口を出さないという選択は、簡単じゃないのです。
最後に
「信じてるよ」のあとに人が黙るのは、その人なりの“応援”のかたちなのだと思います。
多くを語らず、あとはあなたを信じる。
失敗しても、うまくいかなくても、きっと見捨てないという静かなメッセージが、そこにはある。
だから、言われたときにプレッシャーを感じる自分がいてもいい。
でもその沈黙の奥にあるやさしさや強さに、そっと気づいてあげられたら、少しだけ心が軽くなるかもしれません。
