未経験者歓迎は大嘘?!未経験OK求人の本当の意味と求人の選び方
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求人票に「未経験歓迎」と書かれていれば、どんな人でも採用してもらえると思っていますか?
もしくは、未経験OKだから応募したのに、落とされた・・・企業なんて大嘘つきだ!と傷ついていませんか?
実は、未経験歓迎と求人票に記載するには事情があるのです。採用側の考えが分かると、どのような求人を選べばよいかも見えてくるでしょう。
そこで、私の会社で採用活動をしていた事例をご紹介しながら、どのような求人を選べば、未経験から将来に希望が持てる就職できるのかについて解説いたします。
Contents
企業が「未経験可」で募集する訳
未経験者歓迎の求人を出す企業には以下の2タイプがあります。
間口を広げて才能ある原石をみつけたい会社
私は、知人と立ち上げた会社でWEBデザイナーの求人募集をかけたことがあります。求人票には「未経験可」と書きました。
なぜなら、デザイナーは資格が必要な仕事ではなく、センスのよい人であれば上達が早いからです。逆に、美術系の専門学校を出ていても、センスがない人は駄目だったりしますし、作品のクオリティは高くても会社の求めているテイストと違う場合は残念ですがお断りする場合もあります。
ただし、未経験といっても、「趣味のWEBサイトでも一つも作ったことがない・パソコンを触ったこともない・紙のデザインもやったことがない」これらすべてに当てはまる人はNGです。
経験の有無は、仕事としてやってことがあるかないかという意味ですが、自分の自由な時間にまったくやってみたこともないようであれば、経験もないが興味もないとみなされるのです。そういう人は、当然ですが、採用されません。
求人票に「未経験可」と書いたときに、応募してきてほしい人物像としては、「仕事として行った実務経験はないが、趣味でたくさん行っているので作業経験はあります!」という人が理想です。
「経験者のみ採用」としてしまうと、少し教えれば十分に仕事ができる人をはじいてしまうので、企業としては、少しでも間口を広げるために「未経験OK!」で求人募集をかけるのです。
とにかく採用して振り落とすやり方の会社
知り合いの会社の営業職は新入社員が常に何人もいる状態でした。しかし、早くて数か月で辞める人も多いのです。
そして、個別の教育は行わずに、最初に集団研修を簡単に行うのみ。あとは、厳しいノルマを掲げて、野放しで自由に営業活動をさせます。成績が良いときは待遇もよいのですが、思うような成績を上げられないと居場所はなくなり・・・辛くてやめる人が後を絶たないのです。
しかし、社長は、それでいいという考えの持ち主。5人採用して1人残ればOKと思っているようでした。企業としては採用のコストはかけますが、教育コストは削減し、生き残った優秀な人が活躍し続けてくれれば採算がとれるということです。
このような考えの会社の場合、とにかくたくさんの人を採用する必要があります。
なんの根拠もなく「君ならできる!」と言ってきたり、「成績が良いとボーナス云々」と餌をちらつかせて誘うタイプの求人はこのケースが多いです。
完全実力主義のやり方なので、チャレンジしてみたい人にとってはハングリー精神をくすぐられる環境かもしれませんが、未経験なので丁寧に教えてほしいという人にとっては合わないかもしれません。
「未経験可」なのに採用されない理由
企業にも採用できる人数に限りがある為、応募してきた人すべてを採用する訳にはいきません。未経験者歓迎の求人に応募しても採用されない場合はあります。
結局、1つの採用枠を巡って、経験者と未経験者がいた場合、年齢や人柄などが同じで経験の有無だけが違うのであれば、経験者を採用するのが普通です。相対的評価で競争の原理が働いてしまうものです。
私の会社の場合も、未経験者歓迎の求人募集を出した結果、8割程度は経験者を採用しました。
でも、経験者が応募してきた場合の懸念事項としては、「すぐに辞めてしまうのではないか?」「問題を起こして辞めてきたのではないか?」という疑惑が消せません。
この点を差し引いても即損力に魅力を感じるか?未経験でやる気のある人を一から育てて期待をかけるか?は、その会社の考え方によります。
「未経験可」の求人に応募して落とされた場合は、経験者で他に採用したい人があらわれたか?やる気が足りなかったか?タイプ的に向いていない仕事だと思われたか?社風に合っていないと思われたか?この辺りが原因でしょう。
例えば、WEBデザイナー職であれば、未経験で意欲はあっても、大雑把・黙々と作業をするのが苦手・美に興味がないなどの傾向がみられるならば、仕事内容的に向いていないと思われるので、採用を見送ることが多いでしょう。
未経験歓迎だからといって誰でも採用してもらえるわけではありませんし、落とされるには理由があります。落選理由をしっかりと振り返ってみることが大切で、それによって、自分の適性が見えてきます。
未経験社員が一人前になる為にかかる時間
私の会社で未経験社員を採用した事例を紹介したいと思います。
既卒のAさんは、美術大学卒業で就職活動用にWEBデザインを1つ作成したことがあるだけでしたが、迷った挙句採用しました。
当時どうしても人手が足りなくて、なぜか経験者の応募がなく、いつもよりハードルを下げての採用となったのですが、就職活動にはこういう不思議な縁がありますよね。
で、デザインセンスも良い方ではなかったので、実に2年間、度々マンツーマンによる指導が必要で、教育コストはかなりかかってしまいました。
その後も、一人で任せるとあまり制作ができなくて、教える方も困っていた時期もあったのですが、ディレクターが細かい指示を出す体制に変えることで上手くいくようになりました。次第に、お客様からお褒めの言葉をいただける制作ができるようになり、ようやく一人前に仕事をこなせるやり方が見つかったのです。
未経験者だと、技術の習得はしてもセンスがよくないと仕事として成り立たない危険性がありますが、やり方や環境次第では上手くいく場合もあります。
時間もかかるし、教える人も大変だし・・・企業にしてみれば、未経験社員を採用するということは、それだけの大変さを覚悟して受け入れているということは分かってほしいと思います。決して、未経験だから期待していない・どうでもいいなんてことはなくて、なんとか一人前になってほしいと考えているのです。
Aさんも、指導している間に何度か急成長が見られました。メキメキと上達する人がいると社内が活気づきますし、指導する側にも学びがあります。未経験で仕事がまだできない人でも、社内にいることで役に立っていることもいろいろあるのです。
また、企業は、数年単位で利益の計算をしているものなので、すぐに一人前になれなくても、それほど気にすることはありません。数年の教育期間が必要なことは折り込み済みです。
「未経験OK」から読み解けるもの
先のWEBデザイナー職のように、センスが必要な仕事の場合は、未経験OKの求人募集を出していることが多いです。
他の職種では、企画・難易度の高い営業・広告制作・英語を使った仕事等があげられます。アイデアマンで発明好きだとか、TOEICは受けたことはないけれど海外旅行が好きで英語で日常会話はできるといった特技があるならば、才能が開花する可能性もあります。ぜひチャレンジしてみるとよいでしょう。
別の理由で未経験OKの求人募集を出している場合として、慢性的な人材不足で仕事内容は経験を積めば誰にでもできる内容であるケースがあります。
職種としては、飲食業界・介護業界・難易度の低い営業や数をこなせばいい営業・ドライバー等があげられます。
これらの職種の特徴としては、きついと言われていて、敬遠されがちな傾向があるということです。
しかし、作業が難しくてどうしたらいいか分からないとか、何の役にも立てなくて居ずらいという悩みとは無縁です。やることはたくさんあって、自分のやったことが役に立っている実感をもてるので、やりがいが感じられる仕事であるともいえます。
未経験者歓迎の求人をチェックしていると、採用してもらえるかどうか?という点ばかりに焦点がいきがちですが、自分がその仕事をできるようになって活躍するイメージができるかどうかを想像してみてください。企業がどのような意味で未経験者OKとしているのかを踏まえて、自分が楽しく働けそうな仕事選びをすることが大切です。
自分に合った求人を選ぶために
未経験歓迎の求人はたくさんあります。たとえば、「ハタラクティブ」には、1000件以上の未経験OKの求人情報が集まっていますので、それらの中から、自分に合った仕事を探すことができます。
ポイントは、その仕事をできるかどうかで考えるのではなく、その分野やその作業が好きか嫌いかで考えることです。
私の会社で未経験採用したAさんも、WEBデザインの経験は少ないですが、イラストを描いたりモノを作ったりすることがとにかく好きで、再三のやり直しにもめげずに、人一倍制作作業に取り組んでいました。
修正していい制作物ができると嬉しいようで、やっと納品できた際には、チームのみんなと喜び合っていました。
ゼロからのスタートでも、頑張れる気持ちがあれば、助けてもらいながら仕事をすることができて、やがて一人前になれるのです。
仕事に直結するできること(特技)があれば悩むことはないですが、未経験の場合、自分のどんな部分が仕事として活かせることなのかが分からないですよね。
なので、好きで頑張れることを選んでやってみるしかありません。その分野で未経験OKの求人があれば、頑張ってみるチャンスを貰えたという意味です。
頑張れることは一番の才能で、それは、やってみないと誰にもわかりません。
あなたにもきっと何かを頑張れる才能があるはずなので、好きで興味が持てる未経験歓迎の仕事をぜひ探してみてください。